バイオマスモノマーを用いた主鎖生分解性ゴムの開発と機能化

髙坂泰弘
(信州大学繊維学部 テニュアトラック助教)

2015年5月11日月曜日

実験ナンバー001

2015年5月11日,待ちに待ったこの日がやってきました!
そう,記念すべき実験第1号です!!


残念ながら,フラスコはアルミ箔に覆われていて,詳細をお伝えすることが出来ません.
これは別に企業秘密やら知的財産やらで隠しているわけではなく,中の反応物が光に弱く徐々に分解することがあるので,料理用のアルミ箔で遮光しているのです.
(実際は,この段階に至るまでに実験装置も3段階の合体・変形をしたのですが,写真を取り損ねてしまいました)


今日の実験は以前にも実施したことがある実験の再現で,プラスチックの一歩手前の原料(モノマー)を合成する第1段階の反応です.
どの薬品も臭いがきついのですが,ドラフト(下記写真参照)と呼ばれる風防の中で実験しており,有毒ガスはすべて排気口を通してフィルターで除去されるため,環境負荷なく安全に実験することが出来ます(このドラフトにもいろいろな細則があり,最低年1回は点検報告を出す義務があります).


今日の実験は,試薬を混ぜるだけという簡単なもの.
もちろん,先ほどの臭いの問題も含め,試薬の安全対策や観察眼も要求されますが,その気になれば高校生でも実験できるでしょう.

では,なぜこんな簡単な実験をするのかというと,もちろん最先端に辿り着くまでの下準備ではあるのですが,それ以上に学生の教育が目的です.

フラスコを持ち,固定具で固定し,薬品を量り,それをピペット(スポイトの大きいの)でフラスコに入れ,そして変化を観察する…

たったこれだけの操作ですが,1つ1つに安全への配慮が欠かせませんし,それを自分で理解して事故を事前に防ぐ力が必要です.
言ってみれば,自動車で前に走るだけなら,サイドブレーキを引いてアクセルを踏むだけですから,それこそ高校生でも出来るでしょうけど,実際に交通ルールを守って,いわゆる「先読み運転」をしたり,何かあったときのためにタイヤ交換や心肺蘇生法を身につけるとなれば,自動車教習所に行ってライセンスを取得する必要があります.

大学の研究室でも,最先端に到達する前に,こうした基礎を徹底的にたたき込まれるんですね.
卒業時に授与される「学士」や「修士」の学位は,ある側面では,そのような訓練を経た技術の証明でもあります.

2 件のコメント:

  1. 高坂さん
    なるほどですね~。安全性に対する基礎をしっかりと身につけるのはどんな職業でも大切なことだと思います。
    危険とはどんなものか?いざ、危険な目にあった場合にどう対処するか?も計画的に行うのですか?それとも、偶発的に発生したときに、みんなで学ぶのでしょうか?

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  2. 中原さん

    早速ですが,本日は台風で自宅からの更新のため,以前の宿題とともに,その当たりを記事にさせて頂きますね.

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