バイオマスモノマーを用いた主鎖生分解性ゴムの開発と機能化

髙坂泰弘
(信州大学繊維学部 テニュアトラック助教)

2015年6月12日金曜日

学会③:海を越えた出会い

学会3部作の最終回です.

今回の学会では,英語で講演しました.
これには2つ理由があって,1つは来月に控えたフランス出張の練習です.
というわけで,来月は国際学会のレポートもします,はい.

もう1つの理由は,今回は日本で口頭発表できる適切な会場がないからです.

どういう意味かというと,
そもそも学会発表には,口頭発表とポスター発表があります.
恐らく,皆さんが抱く「学会」のイメージ,ドラマや映画に登場するステレオタイプな「学会」は,口頭発表ですね.これはいわゆるプレゼンテーションで,プロジェクタに映したスライドを使いながら,制限時間内で最新の研究成果を発表します.

これに対し,ポスター発表では壁に貼ったポスターの前に講演者が立ち,データを見せながら,自由に討論を展開します.

口頭発表では順番に成果をするので,しっかりとした論理構成が求められますから,
ある程度成果の出た,完成(間際)の研究を報告します.
大勢の聴衆にPRできる利点がありますが,制限時間内に討論を終える必要があううえ,
質問者も大勢の聴衆の前で発問する度胸が求められますから,限られた質問者との議論で終わってしまう欠点があります.

一方,ポスター発表は制限時間が1-2時間と長いので,発表する方は大変ですが,
何より聴衆と1対1の会話になることが最大の魅力で,近い距離で込み入った話ができます.

さて,話を戻しましょう.

高分子学会は,新物質を合成する「化学者」と,その性質を解析する「物理学者」が一堂に会するユニークな学会です.
余りにも参加者が多いので,「化学」と「物理」で学会の主題を1年ごとに交換しており,今年は「物理」がメインの年でした.

私は化学者ですから,「物理」の発表はできませんが,上の事情で今回は「化学」の発表はポスターのみとされています.
ただ,一見さんの海外研究者に配慮して,英語発表だけは分野を問わずOKという規程だったので,口頭発表を志望すると,自動的に英語で喋ることを強制されます.


何はともあれ,英語で喋るべく壇上に立つと(英語は久しぶりなので,ちょっと緊張します),
目の前に2年前にイングランドのパブで会ったイギリス人が!!

そんな馬鹿な,と思って名札を見ると,やはり彼ではありませんか!

なんと,日本で研究者として働くことになったのだそう!!
(ちなみに,前回も書きましたが,学会開催中の街の居酒屋には研究者がゴロゴロいるので,パブで会った兄ちゃんが研究者をしていても,何ら不思議はありません)

これは素敵な出会いですね!

世界の研究者がライバル,なんてよく言いますけど,
そこは人間同士,やっぱり 「研究」でいろいろな人と繋がれるのは,幸せなものです.

3 件のコメント:

  1. 私は研究者ではありませんので、よくわからないのですが、同じ分野の研究者同士って、ライバル意識と仲間意識はどちらが強いのでしょうか?年代によっても違ってくるのかもしれませんが。

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  2. 中原さん

    これは人にもよりますよね,
    やっぱり研究者も人間ですから,いろんな方がいます.

    ただ,研究って音楽の流行と似ていて,一人でやっても盛り上がらないんです.
    GSからフォーク,ロック,アイドルと流行は変わりますけど,各時代に5,6人はそのジャンルを代表する歌手がいますよね.今のアイドルですとももクロやAKB,GSですとタイガースやスパイダース,フォーリーブス,といった感覚でしょうか.

    研究も同じで,初めに数グループが画期的な概念を提唱して,それが流行して皆がマネする…といった具合ですね.

    ですから,お互い牽制し合って切磋琢磨しつつも,やっぱり一緒に盛り上げてこう!という仲間意識はあると思いますよ.

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  3. 高坂先生
    大変わかりやすい比喩ですね。感心しました。
    ありがとうございます。

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