あけましておめでとうございます.
更新が滞ってしまいすみません.
どうしても研究,教育優先なので,なかなか時間が確保できません.
今年もゆっくり更新していきます.
さて,前回研究室が仮完成した話を書きました.
今回から,その過程をご紹介できればと思います.
実験室を拝領した段階では,本当に「実験台」があっただけでした.
はじめに,真空ラインやフラスコと言ったガラス器具をぶら下げる,
アングル(物干し台のような金属のフレーム)を立てるべく,図面を引いてパーツの調達です.
図面と言っても,パーツのサイズと個数さえ分かれば良いので,かなり適当ですが .
で,次に実際にパーツを発注して,アングルを立てました.
続いて,真空ラインの設計です.
真空ラインとは…まぁ,説明は後回しに,まずは図面をどうぞ.
私の実験に合わせて設計した特注品なので,かなり精確に図面を引いています.
真空ラインとは,文字通り「真空引きしたガラス管」のこと.
図面上部の全体図で,右端の部分に真空ポンプを接続して使います.
たくさんぶら下がっている枝管ですが,ここにはフラスコを装着できるような共通規格のジョイントが実装されていて,フラスコを接続してコックを開けると,フラスコ内も真空になる,という装置です.
真空ライン自体は各社規格のカタログ掲載品もあって,こちらの方が安いのですが,
私の実験の性格上,どうしてもカタログ品では不十分なんです.
それで,こうして自分で図面を引き,ガラス器具を工房に特注して作って貰いました.
発注先は,
学生時代からお世話になっているガラス工房.
いわゆる町工場ですが,信頼の置ける腕利きの職人さんには大変お世話になっています.
で,完成品が下記の写真.
想像以上に高性能で,大変満足しています.
他にもフラスコ,ガラスコックといった基本道具や,オリジナルの実験器具など,
いろいろな業者にたくさん発注したので,総工費は何と数百万円!
ゴーサインを出す際には,さすがに手が震えました…
こうして一から研究環境を整えていきました.