バイオマスモノマーを用いた主鎖生分解性ゴムの開発と機能化

髙坂泰弘
(信州大学繊維学部 テニュアトラック助教)

2016年1月24日日曜日

雪が…

先週は雪がひどかったです.
本当にヒドイ地域に比べれば全然マシですが…

朝,出勤した段階でこんな感じ.


いま,大河ドラマで話題の上田城も,この日の数日前まではこんな感じで,まだ綺麗だな~っと思っていたんですが...



一番ひどかったときは道路がこんな感じで, 辟易していました.



こうなると,物資が届きません!
試薬・器具は松本から山越えでやってくるので,山が封鎖されると,もうおしまいです.
高速道路もチェーン規制ですし,そもそも長野県は縦に分断されていて高速は不便ですからねぇ.

雪で研究が進まないという状況は,予想していませんでした…
いやはや.

2016年1月20日水曜日

当たりましたよ-

お年玉宝くじの話でも,研究費の話でもないです.

研究成果が出ましたよ~
詳しくはまだ言えませんが,どうも前から思っていたことが正しかったみたいです.

新天地に移って,旧テーマとともに新規開拓の研究を進めていますが,
本年度3人の学生が同時に研究を進めてくれていて,1つ目の成果が出ました.

昨日,深夜に1人でデータ解析していましたけど,理想的な展開です.
年に1回あるかないかの,こういう瞬間のために,頑張っちゃうんですよね.

残りの研究テーマも,遅かれ早かれ何かしらの展開があるでしょう.
1つは研究の布石として,成果が出ても出なくても必要だった内容で,
もう1つは見当違いなわけがない!と今でも思っています.

とはいえ,「こんなこともあろうかと…」とは常に考えていますけどね.
今進めている研究も,2重,3重に対策が練られています.
まぁ,アイディアが勿体ないので,現行テーマの成果の可否に関わらず,いつか検討はしますよ,きっと.


そういえば論文が出てました

頼りないタイトルでスミマセン…

学術論文って,正式に発刊される前にwebで早期公開することが多いんですが,
正式発刊後に告知しようと思って早2ヶ月…ええ加減に発刊しないかい!…と思ったのでフライイングします.


α-exomethylene lactone possessing acetal–ester linkage: Polymerization and postpolymerization modification for water-soluble polymer
(アセタール-エステル結合を有するα-エキソメチレンラクトン:重合と水溶性ポリマーへの重合後修飾) 
Y. Kohsaka, T. Matsumoto, T. Zhang, T. Kitayama
J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem. DOI: 10.1002/pola.27931
http://onlinelibrary.wiley.com/wol1/doi/10.1002/pola.27931/abstract

※今更ながら,HTMLをタグ打ち入力すれば水平線出せたんですね…webの話はまた今度しますけど,もっと早く気付けば良かったです.

論文の内容ですが,要点はとっても単純です.

挑戦1 六角形を限界まで機能化せよ!

説明が難しいので,研究室HPの右端の図も併せてみて頂けると幸いです.

今回の論文,六角形の形をした分子が主役なんですが,
六角形の中に3つの機能が埋め込まれています.
単純計算すれば,原子3つで機能を出して,残り3つでそれを繋ぎ合わせているわけですから,限界まで機能化した分子と言えます.


挑戦2 合成不可能な高分子を合成せよ!
今回,最終的に水に溶けるプラスチックを合成したんですが,
このプラスチック,従来の合成法では原料の反応性が不十分で,合成不可能でした.

今回,どうやって作ったかというと,
さっきの六角形の分子(モノマー)をたくさん繋ぎ合わせて,
高分子の基本骨格を仮組みした後,

無駄なパーツを取り除いて目標物質に誘導しました.

乱暴に言うと,パーツが小さすぎて組み立てられないプラモデルを,箱に入ったフレームのまま組み立てて,最後に無駄なバリを切り取って成形する作業に似ています.

今回の論文の主な内容は,これだけですかね.
ただ,この研究,色々と将来に繋がりそうなんです.
同時に,ライバルも多いのです(私の研究では大変珍しいことです・笑).

ですので,先手を打ったというところでしょうか.
この研究は私のテリトリーですよ,といった感じに.

こういうPRも時には重要ですからね.


2016年1月19日火曜日

研究室完成までの長い道のり(第2回)~真空ライン~

あけましておめでとうございます.

更新が滞ってしまいすみません.
どうしても研究,教育優先なので,なかなか時間が確保できません.
今年もゆっくり更新していきます.

さて,前回研究室が仮完成した話を書きました.
今回から,その過程をご紹介できればと思います.

実験室を拝領した段階では,本当に「実験台」があっただけでした.

はじめに,真空ラインやフラスコと言ったガラス器具をぶら下げる,
アングル(物干し台のような金属のフレーム)を立てるべく,図面を引いてパーツの調達です.



図面と言っても,パーツのサイズと個数さえ分かれば良いので,かなり適当ですが .
で,次に実際にパーツを発注して,アングルを立てました.


続いて,真空ラインの設計です.
真空ラインとは…まぁ,説明は後回しに,まずは図面をどうぞ.


私の実験に合わせて設計した特注品なので,かなり精確に図面を引いています.

真空ラインとは,文字通り「真空引きしたガラス管」のこと.
図面上部の全体図で,右端の部分に真空ポンプを接続して使います.
たくさんぶら下がっている枝管ですが,ここにはフラスコを装着できるような共通規格のジョイントが実装されていて,フラスコを接続してコックを開けると,フラスコ内も真空になる,という装置です.

真空ライン自体は各社規格のカタログ掲載品もあって,こちらの方が安いのですが,
私の実験の性格上,どうしてもカタログ品では不十分なんです.
それで,こうして自分で図面を引き,ガラス器具を工房に特注して作って貰いました.

発注先は,学生時代からお世話になっているガラス工房
いわゆる町工場ですが,信頼の置ける腕利きの職人さんには大変お世話になっています.

で,完成品が下記の写真.


想像以上に高性能で,大変満足しています.
他にもフラスコ,ガラスコックといった基本道具や,オリジナルの実験器具など,
いろいろな業者にたくさん発注したので,総工費は何と数百万円!
ゴーサインを出す際には,さすがに手が震えました…


こうして一から研究環境を整えていきました.