学術論文って,正式に発刊される前にwebで早期公開することが多いんですが,
正式発刊後に告知しようと思って早2ヶ月…ええ加減に発刊しないかい!…と思ったのでフライイングします.
α-exomethylene lactone possessing
acetal–ester linkage: Polymerization and postpolymerization modification
for water-soluble polymer
(アセタール-エステル結合を有するα-エキソメチレンラクトン:重合と水溶性ポリマーへの重合後修飾)
Y. Kohsaka, T. Matsumoto, T. Zhang, T. Kitayama
J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem. DOI:
※今更ながら,HTMLをタグ打ち入力すれば水平線出せたんですね…webの話はまた今度しますけど,もっと早く気付けば良かったです.
論文の内容ですが,要点はとっても単純です.
挑戦1 六角形を限界まで機能化せよ!
説明が難しいので,研究室HPの右端の図も併せてみて頂けると幸いです.
今回の論文,六角形の形をした分子が主役なんですが,
六角形の中に3つの機能が埋め込まれています.
単純計算すれば,原子3つで機能を出して,残り3つでそれを繋ぎ合わせているわけですから,限界まで機能化した分子と言えます.
挑戦2 合成不可能な高分子を合成せよ!
今回,最終的に水に溶けるプラスチックを合成したんですが,
このプラスチック,従来の合成法では原料の反応性が不十分で,合成不可能でした.
今回,どうやって作ったかというと,
さっきの六角形の分子(モノマー)をたくさん繋ぎ合わせて,
高分子の基本骨格を仮組みした後,
無駄なパーツを取り除いて目標物質に誘導しました.
乱暴に言うと,パーツが小さすぎて組み立てられないプラモデルを,箱に入ったフレームのまま組み立てて,最後に無駄なバリを切り取って成形する作業に似ています.
今回の論文の主な内容は,これだけですかね.
ただ,この研究,色々と将来に繋がりそうなんです.
同時に,ライバルも多いのです(私の研究では大変珍しいことです・笑).
ですので,先手を打ったというところでしょうか.
この研究は私のテリトリーですよ,といった感じに.
こういうPRも時には重要ですからね.
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