バイオマスモノマーを用いた主鎖生分解性ゴムの開発と機能化

髙坂泰弘
(信州大学繊維学部 テニュアトラック助教)

2016年2月29日月曜日

【動画公開・ダイジェスト解説】やさしい科学セミナー

やさしい科学セミナーの動画がアップロードされた模様です.
https://youtu.be/M4U2i55Ev_Q

財団HPにも間もなく反映されることでしょう.
サポートして下さった国際科学技術財団関係者の皆様に感謝致します.

1時間以上の超大作ですので,内容をダイジェストで振り返ってみたいと思います.

0:00-16:00 自己紹介

恒例にならい,小学校からプロの研究者になるまでを振り返っています.
研究者の世界はサバイバルで,とても厳しいですが,それでも私は辞めません.
この仕事が大好きだからです.

16:00-33:00 第1部 高分子とは何か

プラスチック,繊維,ゴム.ゲル(ゼリー)…さらにはDNAやタンパク質まで…私たちの身の回りは,高分子であふれています.

水 (H2O) や二酸化炭素 (CO2) が3個の原子からできているのに対し,
高分子は数千~数十万個もの原子が結合した巨大分子です.

【実験1】 ポリエチレンの重合度(分子量)と性質 (28:00-33:00)

分子の大きさと性質の違いを確かめるため,
ポリエチレン -(CH2CH2)n- の重合度nが分子の性質にどう影響するのか,
n = 3からn > 1000までを比べて見ました.


33:00-55:00 第2部 機能高分子を設計する

次に,高分子材料に機能を与える戦略を,実験を交えつつ説明しました.

【実験2】 レジ袋 vs. ポリ袋 (ポリエチレンの分岐構造) (35:00-39:00)

レジ袋は,強度が強く,不透明ですが,あまり変形せずいきなり切れます.
その正体は常温・常圧で触媒を使って合成される高密度ポリエチレン.
分岐が少なく ,直線的な分子なので,束(結晶)になりやすく,
高強度・不透明な性質が現れます.

一方,ポリ袋は,透明で,弱い力でも変形し,やがて切れます.
これもポリエチレンですが,高温・高圧で合成される低密度ポリエチレンで,
分岐が多く,直線性が低い構造です.
この結果,束(結晶)になりにくく,上記のような性質が出ます.

このように,同じポリエチレンでも,分岐の有無で性質が全然変わります.

【実験3】 ポリエチレン vs. ポリビニルアルコール vs. テフロン
 (元素の効果) (44:00-54:00)

元素の選択も,性質に大きな影響を与えます.

ポリエチレン -(CH2CH2)n- に水 (H2O)に含まれるヒドロキシ基 (OH) を修飾した,
ポリビニルアルコール  -[CH2CH(OH)]n-は,水に溶けるビニールです!
水によく似た構造を持たせることで,こうした性質が出ます.

テフロン -(CF2CF2)n- はフッ素を含むポリマーで,熱に強く,水をはじきます.
元素を変えるだけで,性質が大きく違う材料が設計できるのです.


55:00-1:10:00 第3部 先端機能高分子に触れる

【実験4】 最強の繊維 ザイロン (55:00-1:00:00)

最強の繊維の1つ,ザイロンの強度を確かめます.
1.5 LのPETボトルは糸1本で余裕で持ち上がるし,布に火を当てても全く燃えません.

【実験5】 高吸水性高分子 (1:00:00-1:03:00)

高吸水性高分子を使うと,水が一瞬で固まります!

【実験6】 温度応答性吸水性高分子 (1:03:00-1:11:00)

温度応答性吸水性高分子は,低温では水を吸い込み膨らみ,透明に見えますが,高温になると水を吐き出し,光が散乱して白濁して見えます.



1:10:00-1:20:00 第4部 研究室見学ツアー

そのまま,研究室見学ツアーです.
ビデオでは見にくいですが,下記の蒸留装置や合成装置を中心に,様々な実験装置・分析機器を見て貰いました.





【実験7】 自己修復材料 (1:20:00-1:23:00)

研究室ツアーの待機組には,自己修復材料を体感して貰いました.
これは,傷がついても自然に直る最先端材料で,
約15年前に基本原理が発表され,学生時代にその論文を読み感動した材料が,昨年ついにi Phoneケースとして実用化されたのものです.

他にも,光ファイバーの実験など,いろいろ楽しんでいただきました


この機会に高分子に興味を持って貰えれば幸いです.

最後にこの場を借りて,サポート頂いた財団・本学関係者,TAの学生諸君,サンプルをご提供いただいた皆様,そして参加していただいた皆様に感謝申し上げます.

どうもありがとうございました.






2016年2月28日日曜日

【完了報告】やさしい科学技術セミナー

やさしい科学技術セミナー,無事に終了しました.

お越し頂いた高校生の皆様,ご協力頂きました事務・広報室の皆様,サンプルをご提供いただいた企業の皆様に御礼申し上げます.



詳細はYouTubeの公開を経てから述べたいと思います.
というより,もう疲れたので帰ります!それでは!!


2016年2月27日土曜日

【やさしい科学セミナー】いよいよ明日

いよいよ明日に迫りました,やさしい科学セミナー.

サブテーマは,「発見」です.
プラスチック,繊維,ゴム,ゲル,そして接着剤…日常的に使っている材料を使って,いろいろな実験をします.
知ることの喜び,考えることの面白さを体感して下さい!

それでは,本業(研究)がありますのでこの辺りで…

2016年2月16日火曜日

1年間の総仕上げ

いよいよやって参りました,卒論シーズンです.

一般には3月上旬ですが,
我が信州大繊維学部はカレンダーが他大学より早く,
明後日が卒論発表です.

信大での第1期生というだけあって,感慨深いですね…

と,言いたいところなのですが,そんな余裕すらありません.

何せ,先週は修士論文の発表会,今週は大学院入試の2次募集,
その合間に学内外との共同研究の実験(学生のスケジュールと無関係に動く)や打合せ,
予算消化作業,論文執筆に前所属先に残した別同チームの指導など…

もちろん,やさしい科学セミナーの準備もですね.

この結果,当研究室の卒論準備は1週間前倒しで進んでいきました.
その甲斐あって,(卒論発表関係では)もう私にはほとんど教えることが残っていません.
あとは,学生自身の努力次第,といったところ.

皆さん,悔いのないよう,1年の総仕上げを頑張って欲しいものです.

2016年2月13日土曜日

【予告2号】やさしい科学セミナー

改めまして,「やさしい科学セミナー」です.

高分子化学が拓く驚異の高機能材料 
~プラスチック・繊維・ゴムの最先端~

とき:  2月28日() 13時30分~
ところ: 信州大学上田キャンパス講義棟

対象: 高校生

本学の在校生も参加も可能ですが,予め講師の高坂 (kohsaka@shinshu-u.ac.jp; 0268-21-5488) まで連絡下さい.

一般参加申込: こちらをご参照下さい.



準備第2号ということで,今回は金色に光る糸巻きです.
比較のために,軍手を置いてみました.




この糸の正体は,何でしょうか?
ただの糸でも導線でもなく,ある特殊な場面で活躍する糸です.


このほか,新しいデモンストレーションをたくさん思いついたので,実験数を増やします!
当日はどうぞお楽しみに!!

2016年2月5日金曜日

【参加募集中】やさしい科学セミナー

「やさしい科学セミナー」を下記のように開催します!

高分子化学が拓く驚異の高機能材料 
~プラスチック・繊維・ゴムの最先端~

とき:  2月28日() 13時30分~
ところ: 信州大学上田キャンパス講義棟

対象: 高校生

※本学の在校生で希望者がいる場合は,お手伝い要員での参加を検討します.
講師の高坂 (kohsaka@shinshu-u.ac.jp; 0268-21-5488) まで連絡下さい.

参加申込: こちらをご参照下さい.


内容について紹介する前に,準備状況をどうぞ.


最先端素材をバレンタインチョコ用のプラスチックの型で合成して,
ハート型のゲル(ゼリー)を作っています.

これが何かは,参加してからのお楽しみ…

今回のセミナーの内容は,高分子機能材料です!

え~~~,平たく言うと,プラスチック・繊維・ゴム・ゼリーです!

例えば,プラスチックの代表格,ビニール.
スーパーでキュウリを買ったとき,袋詰めするビニールは透明なのに,
レジで貰えるレジ袋のビニールは乳白色です.

この違いは,何でしょう?

こうした身近な話題から初めて,高強度繊維や自己修復材料など,
最先端の材料化学の世界へ皆さんをご案内します!

今回のセミナーですが,とにかく実験が豊富です!

細かいものも含めると,その総数,なんと 8つ!!

そしてなんと,

大学でも滅多にこんな授業はしません!

エンターテイメント重視ですので,単なる座学とはワケが違います.

少し不思議な世界を体感したい皆さん,是非とも参加しましょう!