バイオマスモノマーを用いた主鎖生分解性ゴムの開発と機能化

髙坂泰弘
(信州大学繊維学部 テニュアトラック助教)

2016年4月11日月曜日

講義,からの実技

今日はとても疲れました.

実は,研究はほぼ全くやっていないんです.別にサボっていたわけではなく,1日中,教育業務でした.
4月は新人配属もあるので,どうしても教育に比重が偏りがちですが,これも将来への先行投資,致し方有りませんね.

午前中は,研究室内で実施している,学部生向けの有機化学の勉強会で,3時間ぶっ通しで講義をしました.

有機化学とはどんな学問か?
化学反応はなぜ起きるのか?
共有結合とイオン結合の違いは何か?
化学式で描く分子と実際の分子は何が違うのか?
(※化学式は,あくまで表記法の一つですので,その表現には限界もあります.
西洋の五線譜ですべての音楽を記述できないことと,似ています)

上記は基本中の基本ですが,意外と説明できないものです.
教科書の第1章に記述があり,誰しも有機化学を勉強する最初に習うことですが,この時点では具体例を出しても理解できる能力が備わっていないので,実感が得られないまま応用編に進んでしまうからです.

野球を覚えるとき,ルールブックから入って覚える人は少ないと思います.
それでも,草野球は楽しくできますよね.あれと同じで,いきなり「投手が投げた球を打者が…」なんて説明されても,面白くもないし,理解もできません.
そんなわけで,ラボでは有機化学を1回学んだ学生を対象に,基本からもう一度振り返る勉強会を週1回開催しています.
 
午後は学部2年生の学生実験で,今日のテーマはガラス細工でした.
「ガラス細工?」と思うかも知れませんが,化学実験ではガラス器具を自分で製作したり,修理したりする場面が少なからずあります.
蒸留で使うリービッヒ冷却器や,液体を採取する駒込ピペットも,歴史的にはリービッヒ先生や駒込病院の医師が開発し,その名が残っているものです.今日ではガラス職人と化学者は別の職業ですが,万が一に備えて,化学者も最低限の技術は身につけておかねば成りません.

というわけで,4時間近くガラス細工を教えました.
明日はもっと難しい技術を教えるので,誰も怪我することなく無事に終わることを祈っています.

2016年4月3日日曜日

科研費!

4月1日はドキドキですね.
あちらこちらで入社式ですし,油断するとだまされますし…


4月1日は,研究者にとってもドキドキの日です.
というのも,科研費採択の可否が研究者に通知される日なんですよ.

科研費って何?という人は以前の投稿をどうぞ.


上の投稿でも書きましたが,科研費は研究者にとって超・重要です.
役に立とうが立たなかろうが,最先端だろうが伝統的だろうが,
自由な発想で大口の研究費を申請できるのは,科研費だけなんです.

テーマ設定に一切の制約がなく,また金額も大きいので,研究設備の拡充が期待できます.

さて,以前にテニュアトラック制度について書きました.



日本は伝統的に教授-助教授-助手のピラミッド構造で研究を進めてきましたから,
3人が共倒れしない限り,研究費が枯渇するリスクも小さいですし, 教授が大口の研究費を取ってくることも期待できました.

一方,テニュアトラック制度を採用している本学の場合,というより私の場合,
完全独立で研究室を運営していますから,私が研究費を獲得できなかったら,もうオシマイです.

さらに弱ったことに,テニュアトラック制度は若手研究者の育成が目的ですが,
私の場合,もう「若手」ではないんです.いや,年齢的にはかなり若い方ですよ,全然.

ただ,科研費の「若手研究」は2回までの受給制限があって,私はもう2回採択されていました.
つまり,テニュアトラック制度では「若手」扱い,科研費の制度では「一般」扱いなんです.
ですので,科研費の獲得では,教授や准教授と競争しなければなりませんでした
(審査員が個人的に「若手研究者」を優遇してくれた可能性はあるかもしれませんが…).


というわけで,今回ばかりは研究者生命をかけた,といっても過言ではありません.
ものすごい覚悟で申請書を書きました.


で,その結果は…このブログが続くか否かで,お察し下さい.