バイオマスモノマーを用いた主鎖生分解性ゴムの開発と機能化

髙坂泰弘
(信州大学繊維学部 テニュアトラック助教)

2016年7月9日土曜日

新技術・卓上NMRを導入!

トントン拍子に話が進んで,卓上NMRを買ってしまいました!



私の研究では,新しい化学物質,特に有機分子がたくさん登場します.

世界初の機能高分子を合成することが最終目的ですが,実際は市販の試薬から化学反応を繰り返して合成するので,中途段階で様々な分子が登場します.
これらが設計通りの構造を持っているか,不純物は混ざっていないか,などを確認する装置が核磁気共鳴分光計,通称NMRです.

聞き慣れない方も多いと思いますが,実は基本原理は病院にあるMRI (核磁気共鳴画像法) と同じです.MRIでは体内における水分子など水素核の分布を調べますが,私が使用するNMRでは水素核の位置情報は不要なので(どうせ試験管の中に決まっている),画像化する機構がないだけです.

MRIを撮ったことがある方はご存じだと思いますが,装置がデカイですよね.
そして,金属製品の持ち込みは厳禁ですよね.
あれ,実は超電導磁石という,史上最強の磁石を内蔵しているからなんです.

それが,最近の技術革新で,永久磁石でも同様の測定ができるようになりました!
 (もちろん,画像化するMRIは無理です.位置情報を得るためには,電磁石が必須ですので…)

超電導磁石のNMR装置と違って,得られる情報には限界がありますし,何よりデータが荒っぽいです.下に,練習で試しに測定したデータを載せます(※まだ機会に不慣れなので,これが本装置の最高データ,という訳ではございません.詳しくはメーカーサイトをご覧下さい)
 

上が超電導NMR,下が卓上NMRでの測定結果です.
どちらも同じ形状なのですが,超伝導NMRの1目盛りが卓上NMRでは約10目盛りに相当するので,横方向に引き延ばした感じになります.

でも,メンテナンス不要で,超電導磁石のように常時絶対零度付近に保つ必要がなく,室温程度で運用できます.そして装置も小型で,超電導磁石が自動車程度,一部をほぼ屋独占する大きさなのに対し(ものによっては3階建てとかもある),電話帳や広辞苑程度です.

それに,1970年代前半頃までは,この程度のスペックの装置が全然現役だったんですよ.
その頃は高電圧の電磁石を使っていた上,1測定に1時間以上も必要だったそうですが,今回の装置では消費電力は家電と同じ程度で,測定も1回3分程度十分です.

というわけで,早速測定してみました!



こんな感じで,注射器を使ってサンプルを注入します!

何がいいって,学生が自由に思ったその場で測定できることですよね.
これで研究が大幅に加速することを期待しています!!






2 件のコメント:

  1. これはよさそうですね。
    データも確認用と割り切れば十分ではないでしょうか。

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  2. 伊藤先生

    ええ,全く仰る通りです.
    シリンジ注入タイプなので,圧力さえ注意すればLCとの接続も行けますしね.

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