バイオマスモノマーを用いた主鎖生分解性ゴムの開発と機能化

髙坂泰弘
(信州大学繊維学部 テニュアトラック助教)

2016年9月1日木曜日

量子化学計算ってスゴイ

久々の更新です.最近,超超超超多忙で,ほとんど眠れていません.
しばらく更新も停滞しますが,お許し下さい…

さて,標題の化学計算です.
こんな画像を書き出しています.

アセトン分子の静電ポテンシャルマップ

私は合成化学が専門なので,
新しい分子を自分で設計し,従来にない化学反応や性質・機能を発見する研究をしています.

この「分子の設計」というプロセスですが,
通常は過去の先駆者や自身の研究結果や,
新分子のパーツとな原子群の基本的な性質を参考に考えていきます.

しかしながら,それにも限界があります.
そこで,理論計算に基づいて分子の構造や性質を再現する手法が研究されています.

私は理論化学者ではないので,計算理論・手法の開発は分野外ですが,
最近,手軽にパソコンで計算できるソフトウェアを購入し,研究に役立てています.


上の図は,1,3-ブタジエンという分子に,どのようにパイ電子が分布しているかを計算した結果です.この図は有機化学の教科書には必ず掲載されていますが,全く同じ図が再現できました.


こちらは講義用のスライドですが,ブタン分子の結合回転がエネルギー的にどんな障壁を与えるか…要は,分子模型をねじって変形させるとき,どれだけ力が必要か…を計算した結果です.

ここに研究データを取り上げるわけにはいきませんので,教科書レベルの計算結果のみで恐縮ですが,こうした計算的な理論予測を仮想分子に適用して,新しい物質を開発しています.

明日発表するとある成果では,こちらの予想を超える実験結果が得られて困っていました.
計算化学ソフトを購入してすぐ検証したところ,理論予測が実験事実をよく説明しているので,とても驚きました.いろんな情報が得られるので,面白くて便利なツールです.

1 件のコメント:

  1. ソフトの世界は確かに凄いです。人間の知恵がまとめてパッケージ化され、使う気になれば誰でも使えるというのは現代人の特権ですね。
    こういうソフトを一生懸命、情熱を傾けて作る人、そして先生みたいにそれを使ってくれる人、その成果を今後の研究の基礎にする人という具合に麺々と繋がるのが素晴らしいですね。

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