私は大学教員ですので,研究はもちろん,講義も担当しています.
一年生向けの教養科目から,二年生,三年生向けの学生実験やガラス細工(!!),さらには専門科目である有機化学を教えています.
有機講義でいつも困るのが,実感のない机上の空論になってしまうこと.
例えば,水素化アルミニウムリチウムという試薬がありますが,使い方を誤るとこんなことになります…
いや~怖いですね.できれば使いたくないですね~.
化学反応とは,不安定な物質が安定な物質に変化する現象そのものですので,
ある意味水をかけると火を噴くことには不思議はありません.
とはいえ,やっぱり嫌ですよね~.
こういう実感があると,化学反応式を書くときに,
「間違っても水を入れちゃダメね.反応が終わったら,未反応物を安全に処理しないと…」
なんて感覚が身についたり,
新しい試薬が登場したときに,
「なんだ,あれ使わなくても済むんだ,便利ね~」
とか,なるんです.
たぶん,研究室に入ると有機化学がいっそう理解できるのは,
こういうことだと思うんですよね.
というわけで,私の講義では,
時間を見つけて実験のビデオを上映したりもします.
準備が毎回大変ですが…