バイオマスモノマーを用いた主鎖生分解性ゴムの開発と機能化

髙坂泰弘
(信州大学繊維学部 テニュアトラック助教)

2017年5月8日月曜日

臭素だ臭素だ!

GW明け,初日から大忙しでした.

今日の主役はこれです.

ただの白い箱?
いやいや,拡大してラベルを読んでみて下さい.

臭素

ですよ!

ニオイのモト,と書いて臭素ですよ!

え,タイトル見たから知ってる?
それは結構,では早速箱を開けてみましょう.


なんか見るからにヤバそうなのが出てきましたよ!


これ,体積はたった30 mL程度の量ですが,重さはなんと100 gもあります.

つまり,水の3倍の重さですよ.もう鉄でも持ち上げているような感覚です.

臭素は液体ですが,非常に危険なのでアンプル管(※)に封緘されています.
どのくらい危険かというと,洗剤の「混ぜるな危険」を混ぜると発生する塩素ガス,あれを強化した物質だと思って下さい.

※アンプル管:写真のママですが,蓋がなく上部のガラス部を割って中身を取り出します.漫画でお医者さんが注射するときに使うアレです.昔は栄養ドリンクもアンプル管で売っていたとか.

では,実験のために中身を取り出しましょう!

と言いたいのですが,これが結構大変です.
ここまで大きくて肉厚のアンプル管となると,親指で先端をへし折るにも折れず,折れたら折れたで大怪我します.
下手をすると傷口から臭素が侵入して・・・オォ痛い痛い!

実際には,開口部にヤスリで傷を付けて,そこに赤くなるまで熱した小さなガラス球を押しつけます.すると,温度差で亀裂が拡大して瓶の周りを一周し,パックリと先端部が切り取られるという寸法です.

これを,焼き玉法と言います.

最初の傷の付け方が下手だと,亀裂が四方八方に走って瓶が割れかねません.
また,下手に焼き玉を押し当てると,中身(臭素)が加熱されて危ないです.

というわけで,一発で正確に仕留める必要がありますが,これにはコツが必要なので・・・素人の学生に任せるわけにもいかず・・・はい,私がやるしかありませんね.


こちらはあらかじめ準備しておいた反応装置です.
右端の部品が滴下ロート,ここに臭素を入れて一滴ずつ慎重に反応させます.

では,いきますよ~



さっきと同じ装置ですが,右上に褐色の液体が入っていますよね.
そこから毒霧が出ています.これが臭素です.

でも,よく見て下さい.
下部のフラスコの中身は,無色のママです.

臭素が反応して別の物質に変化しているので,色が消えるんです!

わかりやすいですね~

実際には学生に説明しながら実験していることもあって,

装置の組み立てに1時間,

臭素の滴下に4時間,
(一気に入れると危ないうえ,望まぬ反応が起こるので,一滴ずつ加える)

さらに2時間反応させて・・・

ここまでで6時間経過

もちろん,この合間に余った臭素や汚れた器具を安全にするための処理があります.
ちなみに,この作業は水道水からのカルキ抜きと同じで,ハイポを使います.金魚を飼ったことがある人には定番ですね.


さて,6時間が経過しましたが,生成した物質は催涙性が非常に高く,そのまま取り扱うと大変だそうなので,さらに別の物質に変換する次の実験を連結しました.
この実験にさらに4時間.

というわけで,9時から始めて19時に終わる,実際には別業務との兼ね合いで,20時に終わり,片付けを含めると21時に終わるという有様.
学生さんもよく頑張りました!

疲れた~~~!(>_<)


0 件のコメント:

コメントを投稿