バイオマスモノマーを用いた主鎖生分解性ゴムの開発と機能化

髙坂泰弘
(信州大学繊維学部 テニュアトラック助教)

2017年6月5日月曜日

(学会レポート)ポスター発表って好きです

前回,学会における口頭発表ポスター発表の違いについて述べました.

口頭発表では大人数に発表できますが,高い発表技術が要求されます.
このため,
口頭発表はポスター発表より上位にある
と見なされることが多く,例えば研究業績の評価でも,「国際会議」での「口頭発表」のみが重視される傾向があります.

今回,合成化学の研究はポスター発表が学会の指定場所でした(注:今年の高分子学会は合成がポスター,物性が口頭発表で,来年は逆転)
加えて学生が卒業ないし就職活動で参加できなかったため,久しぶりに私自身でポスター発表です.

それで,ポスター発表の良さを再認識しました.

まず,距離感が近いこと.
学会の主な聴衆は大学院生ですが,特に博士課程の学生は柔軟な思考回路をしていて,いい提案をくれるものです.

ところが,口頭発表の会場で提案をするには,かなりの勇気がいります.
もし,トンチンカンな提案をしたら,大恥という以上に,貴重な質問時間を無駄に割いたという意味で,発表者や他の聴衆に失礼だからです.

その点,ポスター発表では議論が活発になりますし,むしろ個人相手に説明させておいて,「ああそう」の一言で帰ったら,それこそ失礼です.
それで何かしらの意見を言うことになるのですが,分野や先入観にとらわれない,学生の意見は新鮮で,非常に貴重なんです.


企業の研究者が相手の場合はどうでしょう.
この場合,その場で商談・・・とまではいきませんが,その前振りくらいはできます.
例えば,「うちの商品でこんなのがあるけど,興味ない?」とか,「今度詳しく話を聞かせて下さい」とか.
学生とこんな生々しい話をするわけにはいきませんから,トップ自ら発表するのにも,意味があるなぁと感じたわけです.


一番面白かったのが,先生同士の場合です.
ポスターに書いていない内容まで含めて,

「実は本当はこうしたかったんだけどね」
「これ,完全に偶然の産物なんですけどね」
「ここをこうしたら・・・?」
「あーでもない,こーでもない」
「こういう構想があるんだけど,どう?」

などなど.今回は場外戦まであって,ポスター発表後に場所を移して,紙とペンで延長戦をやったり.

私は将棋が趣味なんですが,プロ同士の対局だと,終局後に感想戦っていうのがあります例えばこれ.


なんか,先生同士のポスター発表に似たものを感じました.
専門家同士の会話って,楽しいですね.

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