バイオマスモノマーを用いた主鎖生分解性ゴムの開発と機能化

髙坂泰弘
(信州大学繊維学部 テニュアトラック助教)

2017年7月6日木曜日

赤と青で水よ消えよ!

先日,真空ラインが復活しました!

年代物ですが,むしろ長年の実績があるベテランと呼ぶべきで,とにかく素晴らしい.
以前の真空ラインに問題があったわけではないのですが,私が使い慣れた装置と言うだけあって,実験のやりやすさが全然違います.

真空ラインですが,文字通り真空中で実験をするための装置で,
空気(酸素に触れると失活する薬品や反応を用いた実験で活躍します.

もちろん,薬品を溶かす溶媒(溶剤)にも空気や水が含まれていてはいけません.
空気は蒸留すれば除けますが,水は溶媒と一緒に揮発してくるため,蒸留前に徹底的に除去する必要があります.

というわけで,今週初めの実験は,溶媒からの水の除去です!

まず,テトラヒドロフランという溶媒から水を抜きます.
まずは,実験の様子をどうぞ.



動画で,底の方で回転して舞い上がっている固体は,金属ナトリウムです.

非常に危険な薬品で,通常は水に触れないように油の中に沈めて保管します.使用直前に取り出してナイフ(はさみ)で小さく切り取り,ベンゾフェノンを溶かしたテトラヒドロフランに投入します.

すると,青色のケチルラジカルが発生します.
この物質は水と反応して黄色に変化する性質があるので,溶液の色が黄色だったら水が残っていることになります.

動画でも,溶液の上部は黄色になっていますね.
ケチルラジカルはナトリウムが沈む下部で発生しますから,上部はまだ乾燥できていないのです.

これをかき混ぜると・・・


ちょっとやり過ぎましたかねぇ.
まぁ,長いこと使用するので,こんなものです.

次は,トルエンの乾燥です.

これにはいろいろな方法がありますが,私どもではノルマルブチルリチウムと1,1-ジフェニルエチレンの反応で発生する,1,1-ジフェニルヘキシルアニオンを乾燥剤に使用しています.

この物質,赤色をしているのですが,水と反応すると失活して黄色に変化します.
この性質を使って,水がない状態になるまで,つまり溶液が真っ赤になるまで乾燥させます.

こんな感じです.

綺麗ですね.明日からの実験が楽しみになります.

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