バイオマスモノマーを用いた主鎖生分解性ゴムの開発と機能化

髙坂泰弘
(信州大学繊維学部 テニュアトラック助教)

2017年9月22日金曜日

イギリス出張4~6日目 ~学会とハリー・ポッター~

イオン重合国際会議に参加するため,イギリスはダラムに来ています.


DURHAMでダラムです,スペルが難しいですね.
ここは長らく司教が治めていた街だそうで,大聖堂の紫の十字架が街のシンボルです.
例えば,学会初日のWelcome Receptionで振る舞われたビールも,こんな感じです.


さて,前回,大反響のうちに講演が終わったことを書きました.
国内の学会では他人の研究にあれこれ言う文化はほとんどないので,
こうして率直な感想や質問をぶつけて貰えると嬉しい限りです.

こうして迎えた3日目の朝です.
前日の講演のお陰か,Coffee Break(休憩)では沢山の研究者にお声がけ頂きました.
この国際会議は初参加から4年目,通算3回目になりますが,だんだん顔と名前を覚えて下さっている方が増えているようで,私から声をかけても,「どちら様?」ではなく,「やぁ,元気だったかい?」と周囲の反応が大きく変わってきました.

中には,せっかく会えたのだから写真を撮っておこう,なんて提案して下さる方もおり,ただただ嬉しかったです.
学生・ポスドクを除いた,いわゆるProfessorの中では私は最年少ですので,ただただ恐縮ですね.

こうして人脈作りにも大きな成果があり,また国際共同研究の打合せもできました.
学術論文の審査に関しても,心強い味方ができたようです.

研究では,流行にとらわれず長い目線で独自の研究を進めている方が多く,先日のベルギーの学会とは対照的でした.
私も頑固に合成研究だけを進めていますので,今後の研究方針を考える上で,先達の歩みは大いに参考になります.

この日は,ポスター発表もありました.


会場は歴史ある商工会議所で,厳かな空間で研究発表します.
が,実際はワインを片手に研究について語るので,国内の学会以上にフランクな雰囲気です.ここでは,前職での私の教え子も発表しました.

このときもいろいろな方から私の研究についての問い合わせや感想を頂き,ありがたい限りです.

4日目は,午後から会議公式行事のExcursion(遠足)です.
このイベントについては,2年前に詳しく書いたのでそちらを参照して下さい.


ダラムからバスで揺られて1時間,アニック城に来ました.
ハリー・ポッターのクィディッチのシーンで有名な場所です.


このお城,イギリスでは英国王室の別荘であるウィンザー城に次いで大きい城だそうですが,ノーサンバーランド公爵パーシー一家が今でも住んでいるそうで,内部撮影は禁止でした.

もちろん生活空間は別にあるんでしょうが,全く使っていないわけでもなく,実際,図書室には日本でもおなじみの酒類が並ぶなど,一部に生活感が垣間見えました.

5日目は,ふつうに学会です.
ここへ来て会議で提供されるランチに,初めてローストビーフが登場しました.
写真,右手奥のマスタードとオニオンの下にあります.


これで,フィッシュアンドチップス,ローストビーフ,シェパーズパイを食べたことになります.

昼休みは1時間30分もあるので,ダラム大聖堂を見学しました.
実は日曜日はミサで一部しか観られなかったんです.

ここも,ハリー・ポッターのロケ地です.


さて,午後の講演後2時間の休憩を経て,これから古城で晩餐会です.






2017年9月19日火曜日

イギリス出張4日目 ~講演~

イオン重合国際会議に参加するため,イギリスはダラム大学に来ています.

今日から会議も本格的にスタート.
冒頭でこの会議の経緯や目的について,発起人の一人であるProf. Yagci(トルコ)から説明がありました.

国際会議と言っても堅苦しいものではなく,大半はジーンズにスニーカーで参加しています.
時々冗談も飛び交うので,先に紹介したProf. Yagciが「何なら歌でも歌おうか?」なんて言えば,主催者のProf. Hatchings(イギリス)が「時間があれば考えてもいいよ(当然,そんな時間なんてない)」と返して笑いを取ったりしていました.

さて,そんな国際会議ですが,私も旧知の研究者と会話ができて楽しかったです.
特に昨晩到着した方々は,昨日のWelcome Receptionには出席していなかったので,今日初めて会えた,なんて方もいました.

今日はまた,私の講演の日でもありました.
写真を撮るわけにはいかないので,スライドのトップページで我慢して下さい.


講演への評価は,終わった直後にわかります.
今日1日観ていてもそうでしたが,聴衆が関心を抱いた場合は質問が相次ぎ,また質問の前に感想を述べたりもします.
一方で,全く質問が出ない講演もあり,特に(招待講演ではなく)一般講演となると,その傾向が強くなります.

で,私は一般講演です.
これまで若手講演でしたから,こ,これでも結構な進歩なんですよ!
しかし,大丈夫でしょうか・・・

結論から行くと,英語の善し悪しはともかく,評判は上々でした.
質問はこの分野の大御所と討論した時点で時間切れとなってしまいましたが,
この大御所の先生から「面白くて素晴らしい戦略だね」とのお言葉.

講演終了後も,帰り道で出会った沢山の方から「面白い」「その発想はなかった」「やるじゃん」とのコメントを頂き,意見交換をしました.
実は昨年,ハンガリーで開かれた国際会議で既に同じ講演をしていて,およそ3割程度は同じメンバーだったので,特段のコメントもないかと思っていました.
いやー,これだけ反響がよいと,研究者冥利に尽きるというものです.

このテーマ,結果が揃ってきたので,このまま完結とするか,続けようか迷っていましたが,少なくとももう2,3年は続けた方が良さそうですね.

実は,嬉しかったことがもう1つ.
この講演の直前のCoffee Breakでブラックコーヒーを淹れていたら,
見知らぬ研究者が近寄ってきて,

「あんた,Dr. Kohsakaだろ,この前の論文を読んだよ.
前の研究の頃から注目していたんだけど,この前の論文は全く違うアイディアだろ!
しかも,あれ,かなりcoolだったよ.次作はいつ出るのかい?
うちの研究室じゃ,これスゲー研究になるって話題なのよ」

と興奮気味に話してくれました.

初めはこれは煽てて研究の様子を探っているのかな?とも思いましたが,
話すとかなり細かいデータまで覚えていてくれて,その場でディスカッションに.
どうやら本当に議論したかったらしい…

この論文,発表してすぐに(私の中で)伝説的な研究者からメールを頂いたり
私が思っている以上に好きな人には受けるらしいです.

私としては,今回の学会は国際的な人脈作りが目的でしたので,
こうして色々な国の方に覚えて頂けると嬉しい限りです.
毎年,ヨーロッパに足を運んでいますが,同じ地域に定期的に顔を出すと,こうして認知して頂けるので嬉しいですね.

今日は講演後,ホテルまでのシャトルバスの発車時間までに余裕がなく,皆さん駆け足でコメントだけ残して去って行きましたが,明日のCoffee Breakでまたお話しできることでしょう.

そして,明日はいよいよ国際共同研究に関する打合せです.
先方曰く,

「早く准教授になってくれ!(助教の職位では研究費の申請資格や採択率に問題あり)」

はい,頑張ります・・・


2017年9月18日月曜日

イギリス出張 3日目 ~学会が始まる~

イギリス出張3日目,いよいよ学会が始まりました.

今日はWelcome Receptionだけなので,参加者に挨拶をするだけですが,
旧知の研究者に会えることは非常に嬉しいですね.

今回は私の教え子も研究者として参加していて,2年ぶりに会うことができました.
彼はいまサウジアラビアでポスドクとして活躍しているとのことです.

残念ながら,写真はありません....
こうした場で決まって記念撮影をするのは,日本人だけでしょうね.

明日はいよいよ講演です.
まさか初日に講演するとは思ってもいませんでしたが,すぐに気楽に過ごせるようになるので,かなりありがたいですね.




2017年9月17日日曜日

イギリス出張2日目(番外編)~ロンドン弾丸ツアー~

イオン重合国際会議に参加するため,イギリスはダラムに来ています.
前の記事でも書きましたが,初日は深夜着のためロンドンで一泊し,2日目は電車で3時間かけて学会会場のダラムへ移動するだけです.

当初,17時までに来ないと宿(今回は大学のゲストハウス)の受付が閉まるぞ,と警告を受けていたのですが,17時を過ぎても当直が対応してくれることになり,時間に余裕ができました.

そこで,せっかくの休日(土曜日)ですので,朝9時から電車が発車する15時まで,6時間だけのロンドン弾丸ツアーを企画しました.

ベーカー街ピカデリー・サーカスバッキンガム宮殿大英博物館を6時間で回ります!!

時間に限りがあるので,7時頃には宿を出たかったのですが,朝食が7時30分からで,ゆっくりと調理されていたため出発が9時になってしまいました.
後で学会会場でわかったのですが,この国では朝8時~9時が標準的な朝食タイムのようです.

キングスクロス駅の荷物預かり所にスーツケースを預けて,地下鉄でベーカー街へ.
目指すはもちろん,Baker Street 221Bです.



シャーロックホームズ博物館は他より早い9時30分開館なので,第1目標にしました.


グラナダTVのドラマ,そのままの入り口です.


隣はハドソン婦人のレストランでした.
ちなみに,この建物は本当にヴィクトリア朝の頃からあるらしく,架空の物語とはいえ,まんざらでもないんです.


係員は当時のスコットランド・ヤード(イギリス警視庁)の格好です.


こちらは向かいのビル.カムデン・ハウス,となると空き家の冒険を思い出しますが,ここは1915年建造とのこと.


ホームズの机には1880年頃のタイム誌(本物),化学薬品が.


ここでホームズとワトソン博士,依頼人がお話しをするわけです.
というわけで・・・


個人的にはワトソン博士かポアロの方が似合っていると思いますが,まぁ致し方ない.


これはホームズが壁に打ち込んだヴィクトリア女王のイニシャル.
「マスグレーヴ家の儀式」の冒頭にその挿話があります.


ヴァイオリンはホームズの趣味でしたね.


枕元には「蜂とその飼い方」なる本が.
晩年に探偵を引退して養蜂家に転身したホームズならではの演出でしょう.


イギリス各地の情報が書かれている百科事典.


「赤毛連盟」で大英百科事典を写しているところ.


「ボヘミアの醜聞」での一幕,かな?


「バルカヴィル家の犬」です.


最大の宿敵,モリアティ教授.


「犯人は二人」でミルバートンが殺されるところ.


この残念な絵は「マスグレーヴ家の儀式」で,宝冠を手に入れたものの愛人に殺された執事です.


唇のねじれた男.


この残念な方は,「まだらの紐」の犯人です.

ここまでで90分を消費.残された時間は,あと4時間30分です!
とりあえず地下鉄でピカデリー・サーカスに向かいます.


これぞロンドン,2階建てバス.

このエロスの像が有名なのだそう.
周辺の雰囲気的に,ハチ公みたいなものでしょうね.


名画が立ち並ぶナショナル・ギャラリー,ですが,時間がないので通るだけです.


トラファルガー広場に来ました.


海軍門です.ここからバッキンガム宮殿を目指します.


ヴィクトリア女王記念碑です.バッキンガム宮殿の目の前にあります.


バッキンガム宮殿です.残念ながら,中を見ている余裕はありません.


今日は衛兵交代式はないので,遠目に見るだけです.
ここまでで2時間30分を消費,残る時間はあと3時間30分です.

ここからグリーンパーク駅まで歩き,地下鉄で大英博物館を目指します.
その前に,ピカデリー・サーカスで途中下車してファストフードで昼食を済ませました.


大英博物館に来ました.あと2時間30分しかありません.


グレートコートです.残念ながら素通りします.
ちなみに,大英博物館は入場無料です!!!


ロゼッタストーンです.これが見られれば満足.


エジプトの宝物たちが集まります.

ヒエログリフが書かれているレリーフ.


雰囲気がガラッと変わりましたが,アッシリアです.


ライオン狩りのレリーフ.
世界史の教科書で見ましたね.

続いて古代ギリシア.


パルテノン神殿のレリーフ.


ギリシアと返還問題でもめている,パルテノン神殿の彫刻群です.


ここで一区切りして,ショップを覗きます.


ありました,ガーガーチキンで有名なラバーダックです.


モアイ像.初めて本物を見ました.


アフリカの神様.スゴイ造形ですね.ガンダムの敵メカみたいです.


再びエジプト.ミイラです.


古代エジプトで埋葬された遺体だそう.
日本人の感覚だと,いくら古代人でも略奪して展示品として扱うのは・・・


突然出現した和同開珎


ジンバブエドル.これでもスーパーインフレの前という.
印刷代の方が高い例として展示されていました.


ポートランドの壺.古代ローマです.


アウグストゥスの顔です.

と,ここまでざっと2時間で見て,キングスクロス駅に戻ります.
1時間余ったので,荷物預かり所の真上のパブで一杯.


ここまで全く無駄のない行動で動けましたが,
このブログを見て勘違いされると困るので,念のため注意をさせて下さい.
6時間で,1時間の余裕を残してこれだけ回るためには,


  • 地下鉄の移動や乗り換えが駅の案内表示だけでスムースにできる
  • 地下鉄の路線図が頭に入っているか,事前に計画を綿密に建てておく
  • 町中では迷わず,地図を片手にスタスタ歩ける
  • 博物館や名勝では,解説を読まなくても,見ただけである程度わかる
  • 一人である

などなど,かなり条件が揃わないと無理だと思います!
もちろん,案内人がいればそれに越したことはありませんが.

では,予定通りダラムに向かいます.