バイオマスモノマーを用いた主鎖生分解性ゴムの開発と機能化

髙坂泰弘
(信州大学繊維学部 テニュアトラック助教)

2018年3月27日火曜日

トップジャーナルが選ぶ,新進気鋭の研究者に選出!

英国王立化学協会が発行するPolymer Chemistry (Impact Factor: 5.375, Q1) は,高分子化学ではアメリカ化学会刊行のMacromoleculesシリーズと双璧をなす,世界最高峰に位置する雑誌です.

このたび,このPolymer Chemistry誌からEmerging Investigator(新進気鋭の研究者)として選出され,私の紹介記事が掲載されました.

[PDF版・Open Access]
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2018/py/c8py90042f

[HTML版]
http://pubs.rsc.org/en/content/articlehtml/2018/py/c8py90042f

世界の若手,中堅研究者から30名のみが選出される狭き門ですので,
大変感謝しています.
ここでお名前を挙げることはできませんが,
私とは縁もゆかりもない,
となる海外の著名な研究者が推薦して下さいました.

もちろん推薦だけで事足りるわけではなく,
それから学生たちがRefereeからの辛辣な要請にめげることなく実験を繰り返し,
成果や反証を揃えての採択となりました.

実際,こうした高分子合成や高分子反応の根幹に興味を抱く研究者は年々減ってきており,今回のキーワードである「流行の研究」に全く沿っていないため,一緒に名を連ねている他の研究者と比べて,評価もさほど高くないようです.
論文の紹介記事を見ても,当該分野が流行し,研究が注目されるまでの経緯が一切説明されていませんので.

しかしながら,何も研究者全員が同じ方向を向いて研究する必要もないわけで,
私はこうしたスタンスで今後も研究を進められればと思います.
こんな基礎研究でも私を推薦して下さった研究者の方や,
論文査読で好意的なコメントを下さった方々に,
改めて心から感謝の意を申し上げたいと思います.

2018年3月1日木曜日

愛機との別れ

私の研究に欠かせない機械,それが核磁気共鳴分光計,通称NMRです.

初期の投稿で,そのすさまじい威力を解説しました.
なんてったって,数ミリグラムのサンプルさえあれば,
たちどころに,その分子構造を教えてくれるんです!

あ,いえ,ちょっと誇張が入っています,
測定結果から分子構造がどうなっているかを考えるのは,我々研究者ですから.

何はともあれ,NMRとはほぼ毎日,長いときは10時間近く向かってきました.
もはや,研究の相棒です.

いま話しているNMRは研究室にあるミニサイズの卓上版ではなくて,別棟にある学部共通のデカい方です.
そのNMRくんですが,老朽化が激しく,修理するにも部品も入手困難になってきたので,この度更新されることになりました.

今日が,その最後の夜です.


今日もいつもと変わらぬ風景ですが,もうお別れなんですよね.
寂しくなります…

って,実は本体はこっち.(あっちは超電導マグネット)


おびただしいコードが見えますが,やはり旧式,時代を感じます.
最近は何度も不調になって,本当に手間の掛かる子でした.


この操作卓(マウスの右)と画面ともお別れです.

最晩年はオートサンプラー(自動化装置)が壊れて,
教職員が自ら手動で運用する状況だったので,
日曜と夏期休暇を除いて,ほぼ毎日毎晩この風景を眺めていました.



このNMRは私にとって8台目,使用期間は3番目に短いのですが,
廃棄するその瞬間に立ち会うのは初めてですので,
こんな寂しい気分になるとは思いもよりませんでした.

道具を大事にすること,

それは実験科学者の基本ですから,やはり寂寥感を感じ得ないのでしょうね.

明日はもう,ただの鉄クズとして,ゴミ処分場に運び出されてしまうのです
(注:これは比喩で,実際はそうそう簡単に処分できるものではなくて,運び出すだけでも恐らく数日を要します)


この機械が数々の新規物質を証明し,沢山の論文を生み出してきました.
当研究室の功労者の1人といっても過言ではありません.

最後にありがとう,さようなら,と感謝の意を込めて,お別れを告げてきました.