バイオマスモノマーを用いた主鎖生分解性ゴムの開発と機能化

髙坂泰弘
(信州大学繊維学部 テニュアトラック助教)

2018年3月1日木曜日

愛機との別れ

私の研究に欠かせない機械,それが核磁気共鳴分光計,通称NMRです.

初期の投稿で,そのすさまじい威力を解説しました.
なんてったって,数ミリグラムのサンプルさえあれば,
たちどころに,その分子構造を教えてくれるんです!

あ,いえ,ちょっと誇張が入っています,
測定結果から分子構造がどうなっているかを考えるのは,我々研究者ですから.

何はともあれ,NMRとはほぼ毎日,長いときは10時間近く向かってきました.
もはや,研究の相棒です.

いま話しているNMRは研究室にあるミニサイズの卓上版ではなくて,別棟にある学部共通のデカい方です.
そのNMRくんですが,老朽化が激しく,修理するにも部品も入手困難になってきたので,この度更新されることになりました.

今日が,その最後の夜です.


今日もいつもと変わらぬ風景ですが,もうお別れなんですよね.
寂しくなります…

って,実は本体はこっち.(あっちは超電導マグネット)


おびただしいコードが見えますが,やはり旧式,時代を感じます.
最近は何度も不調になって,本当に手間の掛かる子でした.


この操作卓(マウスの右)と画面ともお別れです.

最晩年はオートサンプラー(自動化装置)が壊れて,
教職員が自ら手動で運用する状況だったので,
日曜と夏期休暇を除いて,ほぼ毎日毎晩この風景を眺めていました.



このNMRは私にとって8台目,使用期間は3番目に短いのですが,
廃棄するその瞬間に立ち会うのは初めてですので,
こんな寂しい気分になるとは思いもよりませんでした.

道具を大事にすること,

それは実験科学者の基本ですから,やはり寂寥感を感じ得ないのでしょうね.

明日はもう,ただの鉄クズとして,ゴミ処分場に運び出されてしまうのです
(注:これは比喩で,実際はそうそう簡単に処分できるものではなくて,運び出すだけでも恐らく数日を要します)


この機械が数々の新規物質を証明し,沢山の論文を生み出してきました.
当研究室の功労者の1人といっても過言ではありません.

最後にありがとう,さようなら,と感謝の意を込めて,お別れを告げてきました.





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