バイオマスモノマーを用いた主鎖生分解性ゴムの開発と機能化

髙坂泰弘
(信州大学繊維学部 テニュアトラック助教)

2018年6月18日月曜日

学部の顔に採用!!(2018年6月限定)

最近の研究成果が評価され,
信州大学繊維学部の一押し研究として
以下のページに紹介されることになりました.

信州大学繊維学部 研究テーマ いちおし!
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/textiles/research-theme/

次は大学の顔を目指して頑張ります…で,いいのかな?

月刊「化学」に寄稿しました

化学を学ぶ者,
化学を生業とする者なら
必ず触ったことがあるであろう,
月刊「化学」


50年の歴史を誇る,
日本の化学を語る上でも重要なコミュニケーションの場です.

そんな月刊「化学」の編集部様からお声がけ頂き,
今月号に寄稿致しました.


著作が「化学」に掲載されるのは
これで2回目なのですが,
1回目は匿名で投稿した
若手研究者が考える展望に関する
意見が採用されただけなので,
実質これが初めてです.

今回,嬉しかったことが2つ.

まず,
今回は他人の研究を紹介するコーナーでの寄稿だったのですが,
元の論文を読むと,
どうにも納得できない部分がありました.

そこで,著者に英文手紙を書いて,
メールで問い合わせてみました.
もちろん,今回記事にする経緯も含めてです.

その結果,回答が得られただけでなく,
その方と今度面談できることになりました!
実際は来日期間中に私も講義があるので,
お互いスケジュールを合わせられるか,
何とも言えない状況ですが,
たいへん嬉しいお話しです.

もう一つは,
別のページに私の恩師が寄稿されていたこと.
これはいい思い出になります.

次は自分の研究で寄稿できるように,
頑張ります!



2018年6月17日日曜日

頂いた「こたえ」への回答(日本科学未来館トークイベント)

日本科学未来館でのトークイベントでは,
研究者から皆さまへ「問い」を持ちかけることが
ルールになっていました.

私から皆さまへの問いかけは,
「どんな性質のプラスチックがあったら
いいと思いますか?」

最終的に,ボードに貼りきれないほどの
回答を頂きました.
ざっと数えると50枚以上でしょうか.

頂いたご回答に対して,
現代技術がどの程度進んでいるのか,
お答え致します.

ここではプラスチックだけでなく,
同じ高分子の仲閒である,
ゴム,繊維,ゲル(ジェル)にも話を広げて
回答したいと思います.


「動く!」

実はこれ,もうあります.
ここでは日本の2つの研究をご紹介します.

1つ目は中央大学の池田冨樹先生のご研究です.

まずは,こちらの動画をご覧下さい
(クリックすると動画が再生/ダウンロードされます)

(出典)
T. Ube  K. Kawasaki  T. Ikeda, Adv. Mater.  2016, 28, 8212.
Photomobile Liquid‐Crystalline Elastomers with Rearrangeable Networks

これは,紫外線や可視光線に反応して動く(曲がる)ゴムです.
面白いですね.私は学生時代に,初期の研究を知って感激した思い出があります.


2つ目は,東京大学の吉田亮先生のご研究です.

こちらの動画をご覧下さい
(クリックすると動画がダウンロードされます)

(出典)
S. Maeda  Y. Hara  T. Sakai  R. Yoshida  S. Hashimoto, Adv. Mater.  200719, 3484.
Self‐Walking Gel

論文のタイトルにもあるように,「自立歩行ゲル」です.
これ,電源も何も付いていないのに,
ゲルの中で生じる化学反応を動力源に歩くんです.
これも私の学生時代に発表された論文で,
もう衝撃でした.


「色が変わる!!」

実はこれも,あります.
どうやって色を変えるかによって,
いろんなパターンの研究があるのですが,
ここでは個人的に大好きな日本の研究を紹介します.

こちらの動画をご覧下さい
(クリックすると動画がダウンロードされます)

(出典)
K. Imato, T. Kanehara, S. Nojima, T. Ohishi, Y. Higaki, A. Takahara, H. Otsuka, Chem. Commun. 2016, 52, 10482.
Repeatable mechanochemical activation of dynamic covalent bonds in thermoplastic elastomers

これは九州大学の高原淳先生,東京工業大学の大塚英幸先生らによるご研究です.
引っ張ると,その瞬間に色が変わる不思議な材料ですよね.

これ,引っ張る力によって化学反応が生じて,分子の構造が変化することに基づいています.


「自己再生できる!
「絶対に割れない」
「壊れない」

実はこれも,あります.
それも,研究があまりに多すぎて,紹介できないくらいに…

いま,内閣府が主導する国家プロジェクトが進んでいるので,
詳しくはそちらのホームページをご覧下さい.


「環境に優しい
「二酸化炭素が出ない」
「温暖化を抑える」
「石油を使わない」

これは,まさに,いま研究中ですね.

例えば,東京農工大学の中野幸司先生は,
二酸化炭素を原料とするプラスチックの合成法を研究されてます.

名古屋大学の佐藤浩太郎先生,上垣外正己先生らは,
植物由来の物質を原料にするプラスチック,特にビニール類の合成を研究されています.

一方,群馬大学の橘熊野先生,粕谷健一先生らも,
植物由来のプラスチックや,
自然界で水と二酸化炭素に分解するプラスチックの研究をされています.

こちらはビニール以外のプラスチック類が中心で,
例えば,ペットボトルの材料であるPETを,
植物から合成する方法が開発されました.
(リンクは英語の研究論文です)

それぞれ上のリンクをクリックすると,
皆さまのご研究を紹介するホームページを見ることができます.

私自身もこの分野には興味がありますが,
少しアプローチを変えて研究を進めています.
いずれ,ご紹介するときが来ればと思います.

「育つ
「成長する」

この発想,いいですね!

プラスチックを合成する反応に,「成長反応」と呼ばれる過程があります.
原理的には,これをゆっくりと進めればいいわけです.

実生活では,接着剤が固まる様子が,まさにこれに該当しますね.

ただ,初めから真の性能を発揮できないプラスチック,
どのような場面で活躍するのでしょうか.

このあたりが材料開発の難しいところで,
何の役に立つのか,を考えてから研究をしなければ成りません…

が,正直私は,「面白ければいい」と思っています.
使い方は,後から考えればいいんです!!

「空飛ぶじゅうたん」があったらいいな,
と思ってチャレンジすることが大事で,

「空飛ぶじゅうたんがあれば,新幹線はいらないかもね」
なんて考えていたら,ワクワクできません!

役に立つかどうかわからない,
だけど何か面白そう,
そんな研究の魅力を理解して頂けると幸いです.

私は時間ごとに性質が変化するプラスチックがあったらいいな,
と思っていろいろ研究を考えているところです.
いつか,実現するといいですね.



他にも素敵なご意見を頂きましたが,
長くなってしまったので,とりあえず,
ここまでとしたいと思います.

たくさんのコメント,ありがとうございました!!

お陰様で大盛況でした!(トークイベント@未来館)

お陰様で,
日本科学未来館でのトークイベント
大盛況に終わることができました.



スタジオに用意されてる椅子では
全然数が足りなくて,
トークだけでも30分間,
待ち時間も含めると40分以上も
立ったままのお客様もいらっしゃいました.
長くお付き合い頂き,心から感謝しています.

たくさんの質問を頂き,
講演後も制限時間いっぱいまで
話を聞いて下さり,
たいへん感激しました.

毎日使いながら,
その正体はあまり知られていない,
プラスチック.

そして,その背景にある,
高分子化学とその最先端.

この機会に,
興味を持って頂ければ幸いです.

皆さまから頂いた「問い」へは,
次の記事で回答させて頂きます.

最後に,この企画を支えて下さった日本科学未来館スタッフの皆さま,
楽しい時間を共有できた古いボランティア仲閒に,
心から御礼申し上げます.

どうもありがとうございました.